“エビデンス”という言葉について:日本と世界の定義の違いとその影響

近年、医療や科学の領域で「エビデンス」という言葉が一般的にもよく使われるようになっていますが、国際的な視点と日本の視点でその定義には興味深い違いがあります。
特に、日本では「論文があるかないか」が主な焦点とされており、国際的な「エビデンス」とちょっと違った使い方をされています。

国際的なエビデンスの定義
1. 科学的根拠:
国際的な視点では、「エビデンス」は主に科学的な根拠に基づく情報やデータを指します。これは基本的には実験結果や経験的なデータのことで、科学的な根拠は信頼性が高く、検証可能なものであることが求められます。

2. 経験的エビデンス:
国際的なアプローチでは、経験的なエビデンスも重要視されています。これは現場での実践経験や臨床経験から得られた情報であり、単なる理論だけでなく実際の状況に即したデータも考慮されます。

日本の「エビデンス」の定義
1. 主に論文に依存:
対照的に、日本では「エビデンス」が主に学術論文によって提供されるものとされがちです。特に医学や他の専門分野では、治療法や手法に関する論文の有無が注目される傾向があります。しかし、このアプローチが持つ限定性には注意が必要です。

2. 統計データの重視:
また、日本の「エビデンス」の定義においては統計データも重要な位置を占めています。ただし、これには一定の制約があり、異常を訴える患者のみの統計データを採用していることが多いことや、偏りが見られることに留意する必要があります。

この定義の違いがもたらす影響はとても大きいのです。
国際的なアプローチでは、きちんと条件を満たした科学データが重要視されます。
一方で、日本では単純に、論文があるのかどうかが重要であり、中身をきちんと精査されているかどうかはそっちのけになっていることが多いです。
更に、「統計データ」を重視する傾向が高いため、特定の情報源に依存しやすい傾向があります。

日本と世界では「エビデンス」という言葉ひとつとってもこれだけの大きな違いがあります。
これらの異なるアプローチを理解し、取り入れることが求められています。

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